フラフープのコーディネーションその6

コーディネーションとフラフープワークアウトが
どのような関係にあるかまだ理解できないと思います。
それは確かにそのとおりです。
きょうのはなしは、とても興味深いです。
僕ははイメージトレーニングをしている時の脳の働きと
ほとんど同じではないかと思っています。



きのうテレビで過去のオリンピックで
ゴールドメダリストの体操選手だった具志堅さんが
当時、いくら練習しても腕がまっすぐにならずに
必ず腕が曲がってしまうという平行棒の技があったそうです。
しかし、アキレス腱を切ってしまい、再起不能か?といわれて
いる時に病院のベッドの上でいつも腕がまっすぐになって
技が完成したイメージをしていたそうです。



退院をしてから初めて体操の練習に出たそうですが、
その日は初日なので練習すらしていなかったそうです。
しかし、あのできなかったはずの技が
できてしまったというのです。



つまり脳が毎日練習をしていたので、
腕がまっすぐになるように、
すでに頭の中では技が完成していたのです。


そういう良いはなしに僕はかなりインスパイアされたので、
きょうはそのはなしに関連ずけてみました。




脳との関係
コーディネーションのねらいに触れるとき脳との関係は
切っても切り離せません。


思い通りの動き(随意運動)ができるのは感覚器から
フィードバックされる情報によって、
各段階の動きがチェックされ修正されながら
脳から運動の指令が出されます。



指令は、神経を通して行われ、筋肉へ伝達されます。
専門技術の前提条件である動きづくりには、
脳の働きが関連しているのです。


さらに、知性に関しても同じようなことが指摘されています。
からだの姿勢や運動の様子を知覚し、記憶し、
それらに基づいて運動をうまくコントロールする知性を
身体運動的知性といいます。
優秀なスポーツ選手になるには、この知性を最大限に伸ばす
必要があるといわれています。



ではいったい、なぜ子どものときに
コーディネーショントレーニングを行い、
脳を刺激するのがよいのでしょうか。
スキャモンの発育発達曲線をみると5歳〜8歳ころ
(プレ・ゴールデンエイジ)に神経型が著しく発達するのがわかります。
脳をはじめとして体内にさまざまな神経が張り巡らされて
いく大事な時期なのです。



この時期には、常に多様な刺激をからだが求める特徴があり、
飽きさせないで楽しませるには、遊びの要素も含んだプログラムが必要です。
このプログラムにあたるのが、コーディネーショントレーニングになります。



コーディネーショントレーニングにより、
多面的な基礎づくりを行えば行うほど、
次にくるゴールデンエイジ(9歳〜12歳ころ)
さらには将来への準備になるのです。



第一線で活躍するスポーツ選手は、コーディネーション能力が高く、
その多くが子どものころに人一倍さまざまな遊びを
体験していることを前にも述べました。


加えていうと、遊びにかぎらずいろいろなスポーツを
経験しているほど、専門種目を習得する際の伸びに違いが出てきます。
遊びやさまざまなスポーツを通して基本的な動きを体験し、
自然と神経系や感覚器が刺激されているためなのです。



text by 日本コーディネーショントレーニング協会JACOT